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zoom RSS Sr Yield and Quantitative Determination Sr定量回収について

<<   作成日時 : 2011/03/22 23:53   >>

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ストロンチウムの定量的回収についての評価レポの日本語版を発掘しましたのでUpします。

はじめに

ストロンチウムラドディスクを使用して水試料中の放射性ストロンチウムを分析する方法において、定量的な回収を得るために、4種類の手法が開発されています。

液体シンチレーション計数法を用いる85Srラジオトレーサー法
γ線スペクトロメトリーを用いる85Srラジオトレーサー法
Sr安定同位体を用いるトレーサー法
ダブルディスク法

概要
水マトリクスから放射性のストロンチウムを分離する従来の前処理法では、最終的な放射能測定のために面倒な一連の酸分解や沈殿分離によるストロンチウムの精製が必要でした。試料中にもともと含まれるストロンチウムは、非常に微量であることが多いため、溶液から不溶性のストロンチウム塩を定量的に得ることは非常に困難でした。従来から不溶性のストロンチウムの沈殿分離をうまく行うためには、試料にストロンチウムの安定同位体を含むキャリアー物質が加えられました。この方法において、加えられたストロンチウムには、不溶性のストロンチウム塩の沈殿形成を促進する目的と、沈殿の総量を増すことで重量法による取り扱いを可能にするという目的がありました。移し替えによる損失を補正するため、キャリアーの収率が適用されました。この方法の欠点は、試料中に最初から含まれるストロンチウム、カルシウム、バリウムなどが正の干渉を与えることです。


新技術の利点
エムポアTMラドディスクでは、合理的、効率的な選択的分離が行えるため、古典的な湿式化学による手順はもはや必要なくなりました。 ラドディスク技術を用いることにより、放射性ストロンチウムの分析における分析操作は、90%も削減され、技術レベルに依存するバラツキは、はるかに少なくなります。ストロンチウムラドディスクを使用することにより、ストロンチウムの分離は、もとの水試料からサンプルホルダーに至るまでの6段階のステップにおいて、一度の定量的移し操作で達成されます。


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液体シンチレーション計数法を用いる85Srラジオトレーサー法

ストロンチウムラドディスクの液体シンチレーション分析では、85Srをトレーサーとして利用できます。エネルギー域の解析により、1試料あたり1回の分析で90Srの回収を補正することができます。


機器
液体シンチレーションカウンター(LSC)

手順
1. 85Srと90Srのそれぞれのクエンチ曲線を用意します。

2. LSCでは、85Sr(およそ0-12KeV)と90Sr(およそ12-500KeV)にウインドウをセットすることにより2重標識試料の解析ができます。

3. 試料に85Srをスパイクします。

4. スパイクした試料を3Mストロンチウムラドディスクに通し、3MのメソッドサマリーやDOE Method RP515に準じて処理します。

5. 90Yの内部成長を防ぐために2時間以内で処理し計数します(この時間を越える場合には、90Yの補正も同時に実施する必要があります)。

6. 回収率補正ファクター(YCF)を計算します。 YCF=ディスクの85Srの放射能/計算による添加85Srの放射能

7. ディスクで測定した90Srの放射能にYCFを適用します。


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γ線スペクトロメトリーを用いる85Srラジオトレーサー法

85Srを測定する別法は、γ線スペクトロメトリーによるものです。
この手法は、90Srを低バックグラウンドのガス比例計数管で測定する場合に適しています。


機器
γ線分光器

手順

1. 試料から2個のアリコートを量り採ります。片方に85Srを、設定する計数時間における10000カウントが理論精度±1%を与えるように添加します。

2. 添加した試料をストロンチウムラドディスクに通し、3MのメソッドサマリーやDOE Method RP515に準じて処理します。

3. ラドディスクの85Srをγ線分光器で測定します。

4. 回収率補正ファクター(YCF)を計算します。   YCF=ディスクの85Srの放射能/計算による添加85Srの放射能

5.ディスクの直接測定値(未添加)にYCFを適用します。

 *注意:確認のためディスクからの溶離液をγ線分光器で測定することもできます。

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ストロンチウムの安定同位体を用いるトレーサー法

放射性ストロンチウムは、ストロンチウムラドディスクを通す前と後で、ストロンチウムの安定同位体の濃度を比較することにより測定することもできます。

機器
原子吸光、ICP発光、ICP/MS

手順

1. 測定する試料にストロンチウムの安定同位体を少量(1mg程度)加えます。

2. ストロンチウムラドディスクに通す前に、適当量(10ml程度)のアリコートを採ります。

3. 残りの試料をディスクに通し、3MのメソッドサマリーやDOE Method RP515に準じて処理します。

4. ディスクの溶離液から適当量のアリコート(10ml程度)を採ります。

5. ディスクに通す前後のアリコートを機器で測定します。

6. 回収率補正ファクター(YCF)を計算します。 YCF=1 - ディスクの溶離液中のSr濃度/元試料中のSr濃度

7. YCFをディスクの放射能測定値に適用します。


画像



ラドディスクを2枚重ねする方法

定量的な回収を確認するための最も簡単な方法は、2枚のディスクを重ねて使用する方法です。上のディスクは、ストロンチウム捕集用で、下のディスクはブレークスルーの確認のためのバックアップ用です。

手順

1. 2枚のディスクをホルダーにセットします。

2. 10mlのメタノールでコンディショニングし、3Mメソッドサマリー、DOE Method RP515に準拠して処理します。

3. ディスクを外し、各ディスクを別のプランチェットに入れ、ガス比例計数管で測定するか、それぞれ別のシンチレーションカクテル入りバイアルに置き、液体シンチレーションカウンターで測定します。

4. 放射能が検知された場合には、最初のディスクの効率を、DOE Method RS551のSection 9(計算法)に従って、求めます。

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参考資料

1. L. L. Smith, K. A. Orlandini, J. A. Alvarado, K. M. Hoffmann, D. C. Seely, and R. T. Shannon, “Application of 3MTM EmporeTM Strontium Rad Disks to the Analysis of Radiostrontium in Environmental Water Samples”, Radiochimica Acta 73, 165-170(1996)

2. DOE Method RP515, “Rapid Determination of Radiostrontium Using

3. DOE Method RS551, “Rapid Isolation and Measurement of Technetium-99 Using 3MTM EmporeTM Technetium Rad Disks”, (1996)





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