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zoom RSS 「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」詳細

<<   作成日時 : 2011/03/21 22:08   >>

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厚生労働省が報道発表により紹介している緊急時の測定マニュアルを読み込んでおります。



「放射能汚染された食品の取り扱いについて」↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e.html


「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf



詳細については、順次触れる予定ですが、今回は、取り急ぎ、放射性元素を分離するために利用される分離方が紹介されていたので、ポイントを抜粋して以下に記します。


なお、報道発表された、緊急時における食品の放射能測定マニュアルについては、平成14年3月に厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課よりすでに提示されているものです。


主な構成内容は以下のようになっています。

第1章 基本的考え方

1−1 目的 ・・・・ 3
1−2 内容 ・・・・ 3
1−3 適用 ・・・・ 3

第2章 食品中の放射能の各種分析法

1 NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータによる放射性 ・・・・ 6
ヨウ素の測定法
2 ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロ ・・・・ 9
メトリーによる核種分析法
3 緊急時のためのウラン分析法及びプルトニウムの迅速分析法 ・・・・13
3−1 ウラン分析法 ・・・・13
3−2 迅速プルトニウム分析法 ・・・・15
4 放射性ストロンチウム分析法 ・・・・17
4−1 緊急時のためのSr-90 迅速分析法 ・・・・17
4−2 発煙硝煙法による放射性ストロンチウムの分析法 ・・・・18
5 放射線測定機器を備えた主な試験研究機関等一覧 ・・・・21

(参考資料)

1 緊急時モニタリング計画における食品の放射能測定・分析 ・・・・23
1−1 原子力防災計画等の作成の留意点 ・・・・23
1−2 平常時の情報等の整備 ・・・・23
1−3 緊急時モニタリング用資機材の整備 ・・・・24
1−4 緊急時モニタリングの実施方法 ・・・・24
1−5 緊急時モニタリングの実施計画 ・・・・24
1−5−1 試料採取の実施 ・・・・24
1−5−2 試料測定・分析の実施 ・・・・25
1−5−3 簡易測定 ・・・・25
1−5−4 精密分析 ・・・・25
1−5−5 第1段階モニタリングにおける測定・分析 ・・・・25
1−5−6 第2段階モニタリングにおける測定・分析 ・・・・26
1−6 放射性物質の測定・分析法 ・・・・27
2 被ばく線量等の推定と評価 ・・・・27
2−1 対象となる主な放射性物質 ・・・・27
2−2 被評価対象者 ・・・・27
2−3 被ばく線量算定の基礎式 ・・・・28
2−4 測定結果の評価 ・・・・29

解説 ・・・・29


解説を含めて39ページの内容です。

この中で、自分の専門分野に関わるところは以下のところです。

3 緊急時のためのウラン分析法及びプルトニウムの迅速分析法 ・・・・13
3−1 ウラン分析法 ・・・・13
3−2 迅速プルトニウム分析法 ・・・・15
4 放射性ストロンチウム分析法 ・・・・17
4−1 緊急時のためのSr-90 迅速分析法 ・・・・17
4−2 発煙硝煙法による放射性ストロンチウムの分析法 ・・・・18



今回は、食品が対象ですから、食品の前処理を行い、試料を溶液化する必要になります。
その中で、ウラン、ストロンチウム、プルトニウムの測定では、緊急性を考慮して迅速分析法であるICP-MSで測定する方法が提示されています。


引用

平常時の環境放射線モニタリングにおいては、放射性ストロンチウム、ウラン、プルトニウムの分析は科学技術庁の放射能測定法シリーズ(例えば、「放射性ストロンチウム分析法」(昭和58 年)、「ウラン分析法」(平成8 年)、「プルトニウム分析法」(平成2 年))等に準じて行われる。しかし、これらの方法は試料の前処理、分解・抽出、分離・精製及び測定の各工程に長時間(1 週間〜1 か月程度)を要する。

このため、本マニュアルでは、緊急時における分析法として、ウラン分析及びプルトニ
ウム分析は誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いた方法の適用を図る。



固相抽出を利用した分離法が一部紹介されています。
プルトニウムをICP-MSに分析する際には、プルトニウムの妨害元素となる、ウラニウムを硝酸マトリックス条件下で陰イオン交換樹脂カラム(ディスク)を利用して分離する固相前処理法が記載されています。

引用

ウラン分離除去

(1) プルトニウム分析用試料溶液を予め硝酸(3+2)でコンディショニングしておいた硝
酸系陰イオン交換樹脂に流し、その後、硝酸(3+2)でウランを洗浄除去する。

(2) 塩酸(5+1)でカラムを洗浄し、トリウムを除去する。

(3) ヨウ化アンモニウム(5W/V%)-塩酸混合溶液(容積比 3:7)を流し、樹脂に吸着したプ
ルトニウムを溶離する。

(4) 溶離液に硝酸を加え、蒸発乾固する。乾固物を硝酸(1+11)で溶解して ICP-MS 測定
試料溶液とする。



また、ストロンチウムの分析では、参考情報として、Srの高感度分析のためにクラウンエーテルなどの高選択性官能基を採用した固相抽出ディスク(米国3M社 Rad Disk Srとして流通していたもの、あるいは、米国IBC社より供給されているAnaLig Sr-01樹脂カラム)が紹介されています。

引用 (液-液抽出を代替する方法として固相分離法が注脚で紹介されている)

(2) ろ紙(5B)を用いてろ過し、ろ液を分液漏斗に移し、ビス−(2-エチルヘキシル)リン
酸(HDEHP)‐トルエン溶液(2:1 容積比)と塩酸(1+11)を加え、1 分間振とうする。
10 分間静置した後、水層を除く(ミルキング時刻記入) (注18)

注18 注脚

原子力発電所等の事故によりSr-90(半減期:28.8 年)が放出された場合には、Sr-90 よりむしろSr-89(半減期:50.5 日)の放射能が強い。このため、ストロンチウムをクラウンエーテル系の試薬(例:固相抽出ディスク)により他の妨害核種、元素から抽出分離し、水溶液の状態でSr-89、Sr-90、Y-90 の3核種をチェレンコフ光測定により2 回測定し、Sr-89、Sr-90 の放射能を決定することができる。ただし、牛乳や葉菜類等ジュース状・液状の試料からストロンチウムを固相抽出ディスクに抽出する方法については、今後の検討課題の一つである。




その他、直接のマニュアル法ではありませんが、自分が関わってきた分析技術として、ICP-MSの前処理として、HPLCを接続するオンラインHPLC/ICP-MSによるヨウ素化合物の分析法の経験があります。


上記について関連しそうな参考情報は、ブログエントリーを分けて、これから紹介して行く予定です。
掲載する順番としては、

陰イオン交換樹脂固相カラム(ディスク)を利用したプルトニウムのウラニウムの分離法についての情報

高選択性樹脂を利用したストロンチウムの分離法についての情報

ストロンチウム選択性固相ディスク ストロンチウムラドディスクの使い方

高選択性樹脂を利用したCsの分離法についての情報

固相抽出ディスク Sr Rad Diskによるストロンチウム測定における干渉影響評価レポ

固相抽出ディスクを利用するときのストロンチウムの定量的回収についての評価レポ

テクネチウムラドディスク(Tc Rad Disk)を用いた99Tcの迅速定量

・HPLC/ICP-MSを利用したヨウ素とその化合物のオンライン分析法

・放射性元素の濃縮分離に有効な固相抽出技術について



なるべくはやめにそれぞれの情報をUpする予定です。
あまり期待せずにお待ちください。


ではまた。




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