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zoom RSS 初心者にもできる血中薬物の上手な固相抽出処理(イオン交換編)

<<   作成日時 : 2005/08/15 02:30   >>

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問い合わせで頻出する「医薬品分析の固相抽出」についてのPert.2です。今回は、イオン交換固相抽出における注意点をUpします。

まず、イオン交換固相の特長を整理。

大きく分けるとプラスとマイナス2種類、
さらにその中で強弱2つがあり合計4つのカテゴリーに分類されます。

単純に

A.カチオン交換
A-1.強カチオン交換固相(すべてのpHレンジで100%解離)
A-1.弱カチオン交換固相(pKa+2<pHで100%解離)

特長:
固相担体には、陰イオン交換基(固相官能基自体はアニオン基)がついています。
対象として陽イオンをトラップします。


B.陰イオン交換
B-1.強アニオン交換固相(すべてのpHレンジで100%解離)
B-2.弱カチオン交換固相(pKa-2>pHで100%解離)

特長:
固相担体には、陽イオン交換基(固相官能基自体はカチオン基)がついています。
対象としてアニオンをトラップします。


使い方のポイントその1。

ターゲットの化合物が強イオンか弱イオンかによって、使用する固相を選択する。

常に、
強タイプ−弱イオン、弱タイプ−強イオン、で用います。

用いるのが得策ではない組み合わせは、

弱−弱 : 保持が弱すぎる
強−強 : 保持が強く、化合物を溶離できなくなる


使い方のポイントその2。

塩濃度、粘度を下げてから固相に流す。具体的には、適当な緩衝液を用いて、血漿、血清、尿なら5−10倍に薄めるとよい。ボルテックスミキサーなどで、よく攪拌する。内標準を添加したい場合は、希釈攪拌してからスパイクし、さらに攪拌する。

イオン交換をうまく行うためには、共存するイオン濃度を下げると良い。逆に共存する無機イオン濃度(K、Naなど)を上げれば、pHを強酸性、強塩基性に振らなくても、徐々にターゲット化合物をイオン交換反応により溶離することができる。

とにかく、基本は、試料を希釈することにつきます。


固相カートリッジに流すときの注意点。

有機溶媒濃度を50%以下程度に抑える。イオンとしての解離反応をメインに使用する場合い、最低半分は、水系である必要があります。たとえば、錠剤、散剤を処理するとき、一度溶液化するためにメタノールなどの有機溶媒を用いた方が解けやすかったりします。その際、メタノールを使ってとかしたら、バッファーでさらに希釈して、イオン交換固相にロードします。

基本は、とにかくまよったら、中性にすれば大丈夫です。

また、固相にロードするときは、イオン交換反応が十分に行われるように通液スピードを自然落下程度の速度に調整します。理想は自然落下で行うといいです。無理な場合は、固相抽出用の吸引マニホールドの圧力をコックやバルブで調整して、流速をきわめて遅くします。


固相ロードした後の洗浄について

試料を固相にロードした後は、一次洗浄は、希釈に用いた緩衝液で洗浄します。これは、ロードしたときのpHを洗浄時にずらさないためです。緩衝液の濃度は、100mM以下にします。

2次洗浄は、メタノールやアセトニトリルなどの有機溶媒で洗浄します。できれば、100%の濃度で流します。イオン交換でトラップされた化合物は、pHを振らない限り溶離してこないため、このパワーリンスが洗浄効果を高めます。低濃度分析で、夾雑成分の妨害ピークをできるだけ除去したい場合は、この2段階洗浄がきわめて有効です。



洗浄後に通気乾燥

1分程度、通気して、余分な洗浄溶媒を抜きます。


溶出についてのポイント

塩酸酸性メタノール、アンモニア水を添加したメタノールで溶離します。pHを極端に振ることで、固相かターゲット化合物のイオン解離を押さえ、脱利しやすくします。メタノールを脱離補助剤として、固相から脱着します。固相自体には、2次相互作用として若干の疎水性相互作用を持っていますので、注意が必要です。

溶出するときに極端にpHを振ってしまうと化合物自体が不安定で分解等の影響を受けてしまう場合があります。このようなときは、緩衝液の塩濃度を1M以上にあげたりして穏やかに溶離することも可能になります。この場合、濃縮効果を得ることは難しくなります。ですので、できるだけ弱イオン交換固相を使いこなして、pHを少し振っただけで溶離できるようなメソッドが理想といえます。


HPLCに注入する前に

通常は、窒素を吹き付けたりして、濃縮します。乾固直前で止めて、HPLC移動相で少量でメスアップして、分析に使用します。カラムを詰まらせないためには、0.45ミクロンのフィルター(HPLC用として市販)を利用して、事前に濾過をするようにします。



有機物を多く含むサンプルの場合。

希釈調整した試料を、SDBポリマーの逆相固相に通して、一次処理します。通過液をそのまま、イオン交換固相にロードすると、有機物がカットされた状態で、イオン交換反応を十分に発揮させることができます。特にアニオン交換固相を利用するときは、できるだけ世ぶんんなものをカットしておくと良いと言われています。


逆相編、イオン交換編でのポイントをうまく組み合わせて固相抽出をした後は、HPLC分析になるわけですが、固相抽出前処理のモードとHPLCの分離モードの組み合わせを工夫することが大事です。

たとえば、SPEをC18で処理して、HPLCもC18で行うよりも、SPEはC18なら、HPLCをC8やPhにしたり、SPEをイオン交換なら、HPLCをイオンペアC18やイオンペアC8で分析したりすると良いです。少しでも極性を変えて組み合わせるとクリーンアップ効果が得られ、分析時間も短縮されます。

分析時間の短縮には、HPLCカラムをセミミクロショートから無にすることをお薦めします。たとえば、5ミクロンカラムより、3ミクロンカラムを選択。3ミクロンカラムにしたら、今度は、カラム長さを25cmから、15cmへ。15cmから7cmへと、短くしていきます。カラム内径も、4.6から、3や2にすると感度アップができます。

汎用LC装置なら、3μm粒子で、3x7mm がお薦めです。装置を換えることなく、UV測程度も高感度迅速分析が可能です。

セミミクロ対応装置なら、3μm粒子で 2x70mm程度がお薦めです。


LC/MS/MSなら、3μm粒子で、2x30、2x50mmなどをつかってファーストグラジエントを利用するでしょう。一般的なユニバーサルメソッドを使うでしょう。

最近話題のHILLICモードなら、ジオール(Diol)カラムを利用します。使い方のポイントは、アセトニトリルを80%以上の移動相で利用することです。有機溶媒がリッチの条件で、極性化合物の保持時間が確保できます。逆相モードと化合物の溶出時間が逆転するので、最近人気が出てます。有機溶媒濃度が高くなるとイオン化するときのスプレー効果にも良いようです。


以上久々にUpしました。
また、いろいろ固相抽出ネタは上げていく予定です。気長にお待ちください。


ではまた。

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