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zoom RSS プラスチック分解のノウハウについて (無機分析のための酸分解前処理基礎その3)

<<   作成日時 : 2005/05/28 15:49   >>

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ちまたでは、WEEE,RoHs関連でプラスチック分解の需要が多いと思います。仕事柄、この案件に立ち会うことが多く自らもいろいろ分解した経験をまとめておきます。

まずは、基本的に攻略方法

1.あらかじめ、XRFで主成分の組成を把握する。

非常に重要です。酸との沈殿リスクをはじめから知っておくためです。いろいろ、問題が出てくることがあります。酸化チタンとかが入っているときもやっかいだと聞いています。とにかく組成情報があると後々助かることが多いです。

2.プラスチックのスクリーニングは、 0.1gでマイクロ波分解装置を使う

とけて、検出できたら、終わりです。予測値が持っている検出器で検出できない場合は、スケールアップが必要なので、このマイクロ波分解装置のスクリーニングは、理論上無理となります。マイクロ波分解でのスケールアップには、かなり苦労しますし、危険ですので、お薦めしません。


3.感度が足りない場合、同時にケルダールで0.5〜2gを分解して、チェック

酸の組み合わせでどうしてもさけられない、沈殿物は、濾過して、濾過物をるつぼを使って融解法で処理します。ケルダールの分解データとるつぼの分解データを合わせます。当然、マイクロ波分解でも、主成分によっては、酸との沈殿が発生する場合がありますので、その場合も、るつぼ融解になると思います。高純度融解試薬を入手しておくと良いでしょう。


実際に分解を行うときは、メソッドブランクと、市販されている標準物質CRM BC680, BC681などを同時に処理して、堅牢性を確認すると良いと思います。

マイクロ波分解装置でのおよその分解可能容量は、0.1-0.2gです。(容器の容量が100mLとした場合)

硝酸+過酸化水素水をいれて、210度まで穏やかに加熱して、210度を10分程度ホールドすると、完全分解が可能になります。(理想の展開です)


ここで、210度まで温度を上げないといけないのですが、樹脂の種類によって、
この温度に上げるまでに内圧が、圧力弁のリミッター(各社で違う500-1000psi)をオーバーするものが出てきます。

たとえば、0.1gの未知試料を初めて分解するとき

このとき、圧力モニターが行える装置であれば、圧力リミッターを500PSI程度に自己設定しておきます。分解中の圧力を自分でモニターして500PSIになったら、直ちに、マイクロ波出力をやめて、ペンディングにします。しばらく内圧上昇を観察します。いったんプログラムを中止します。

このときの温度を記録します。たとえば、140度とか。
この樹脂は、140度で500PSIまで圧力が上昇することがわかります。

これを元に一次分解プログラムを組みます。内圧が上昇する温度がわかるので、その手前での分解を一定時間行って、内圧上昇原因物質を壊しておきます。サンプル自体は、低温のため、全部壊れていないはずです。

そして、冷却して、内圧開放します。
今度は、210度まで、上昇させて、完全分解を試みます。10−20分。

終了後、冷却して、圧力を開放します。(分解できたかどうか確認)

分解できていたら、終了。できていない場合は、再セットして、もう一度210度分解を行います。

ここまでで、通常の樹脂の分解は行えると思います。
これでだめな場合は、マイクロ波分解はちょっとあきらめた方がよいかもデス。

いずれにしても圧力の限界があります。分解量は、通常は、0.1gでスケールアップして、0.2g程度が限界だと思います。標準物質でうまくいっていても、実試料では挙動が変わることがあります。注意してください。


あくまでも、私見です。世の中には、もっとすごい方法を編み出している方もいるかもしれないので、もっと調べたい方は、いろいろブロクを検索したら、出てくるかもしれませんね。

今のところ、

マイクロ波分解でこまったら、→ ケルダールでやっています。

ではまた。


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