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<<   作成日時 : 2005/02/10 19:37   >>

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食品分析における固相抽出の効果的な利用方法 その1
Highthroughput SPE Technique in Food Analysis

LC、GC前処理における固相抽出法と平行して食品分野への応用もまとめてアップしていくことにしました。今回は、概要とイントロダクションです。

目次

0.要旨
1.食の安全性と求められる迅速分析
2.飲料食品における分析自動化の提案
3.飲料食品以外への自動化装置の可能性

要旨
 近年輸入食品の増加に伴い、食の安全性に対する関心が高まっている。とりわけ、輸入作物に残留する農薬の健康影響が懸念されている。このような背景から、。

1.食の安全性と求められる迅速分析

1-1背景:環境ホルモンでの市民のパニックとメーカーの防衛対策の意識の高まり
 1998年、内分泌攪乱化学物質(Endcrin Disruptors Chemicals:通称環境ホルモンとも呼ばれる)問題が食品業界に大きなショックを与えたの記憶に新しい。と言うのも、環境ホルモン問題は、従来の有害化学物質が環境中の濃度が毒性を及ぼす量で、影響を与えると考えられていたのとは異なり、我々の生体中の内分泌物質(ホルモン)と同程度の、中毒量に比べれば遙かに極微量の濃度であっても、人体に影響を及ぼすという見解がなされたからである。また、当時のクローズアップされたこれらの物質が、ビスフェノールAやフタル酸エステル類、さらにスチレンモノマー、ダイマー、トリマーなど我々の生活に密接に関わっている化合物であり、これらはプラスティック、発泡スチロール、ビニール類からの溶出・体内摂取という構図を簡単に想起させるものであったためである。

 これらの背景から、環境分析業者から、メーカーの安全評価の分析担当者にいたるまで、これら、内分泌攪乱の疑いのある「環境ホルモン」と呼ばれる物質群の分析法の開発と分析技術の習得が急務の課題となった。幸い、「外因性内分泌撹乱化学物質調査暫定マニュアル ( 1998年:当時環境庁提示)」が早急に確立され、それらの一部は、現在JIS法として共通の分析手法を利用できる状況である。

 近年、食品分析業界では、自衛の意味も含めて、環境ホルモンを含めたリスク有機化合物の微量分析にいっそう力を入れ、安全な食品提供を消費者側へ訴える傾向がいっそう強まっているきている様に思われる。本レポートでは、このようなニーズに対応する、食品中の有機微量化合物を自動的に抽出、濃縮する自動化分析装置について紹介したい。

1-2業界各社における分析技術の向上のための設備投資、人的投資、技術者教育
 環境分析業界においては、元来、低濃度の重金属類や有機化学物質を受託分析するという土壌があったため、設備投資や、オペレーターの育成など早急な準備が行われたようである。一方食品分析においては、単純に環境分析で使用されているマニュアルを使用することは簡単ではなく、各種食品からの各ターゲット化合物の抽出・濃縮・クリーンアップという大きな課題があった。従って、食品に関わる各分析室では、専門的にこれらの分析に対応する人的確保と技術の確立、新たな若手技術者の育成が早急な課題となった。問題となっている化合物類を検出するためには、四重極型ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC/MS)をメインに使用する。近年では、トリプルステージ型液体クロマトグラフィー質量分析計(LC/MS/MS)を使用するケースも増えてきているが価格が高いため、十分な台数の導入が済んでいる機関は少ないように思われる。従って、通常、ビスフェノールAのように揮発性の低い化合物LC/MS/MSで分析を行いたいケースでも、GC/MSに頼らざるを得ない状況がある。このような場合、抽出・濃縮・クリーンアップ後の試料をさらに誘導体化をおこない分析をおこなう必要がああり、かなりの技術と熟練度を要する。

 現段階では、各メーカーにおいて、独自の分析手法とノウハウが確立されている様に思われる。しかしながら、新たな問題点も浮上している。

1-3開発部門や、安全評価部門で蓄積した独自の分析技術などのノウハウをどのように品質管理部門に移管していけばよいのか?

 現在浮上してきている大きな問題は、各社の開発部門や、安全評価部門で時間をかけて確立した、分析技術やノウハウを、今度は、実際の製品出荷に伴う、品質管理に反映し、最終的な、品質チェックを行わなければならないと言う点である。とりわけ、食品分析では、実試料を分析計にかけるまでの「前処理」に依存する比重が非常に高いため、これらは、今のところ人的パワーに頼るところがあり、技術の移管や伝達に多大な労力が必要になってくる。さらに、生産部門は、施設の敷地が数カ所に分散していたりするため、実験データが各実験棟で同じデータが得られるという、クロスバリデーションをしっかりとおこなう必要がある。最大のボトルネックは、人的パワーに頼っているとこれらにかかるコストが膨大になるということと、思ったような、データの再現性が得られないという技術的障害にある。また、人事異動や何らかの理由で、技術を習得したオペレーターがリタイアしたときのリカバーをどの様にするのかといった問題が浮上する。

 従ってこれらのニーズに応えるため、各種行程を自動化するニーズが高まっている。自動化により、人的コストの削減と、各機関でのデータをオペレーターに依存することなく、整合性を取りやすくするのがねらいである。





続きは、次回以降アップ予定です。

=======本の紹介==========
変わりゆく食環境と食の安全性 クローズアップ食生活シリーズ

目次

第1章 世界の栄養・食生活
第2章 健康づくりのサポーター
第3章 賢く利用しよう加工食品
第4章 食品を安全に選ぶための表示の見方
第5章 食品にかかわる倫理
第6章 食中毒
第7章 感染症
第8章 食品の寄生虫
第9章 食品に残留する科学物質






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