|
固相抽出の必須アイテムとも入れるフロリジルとシリカ。今回から、クリーンアップとして用いられるこの2大アイテムの上手な使いこなしについて解説していきます。 ☆フロリジルとは? シリカゲルとは? フロリジルとシリカゲルは順相吸着クロマトグラフィーに用いられます。これについては、過去のブロクで紹介しています。復習してみたい方は、トップページから、ブロク内検索を用いて対象ページを検索してください。(今回、検索ウィンドウを左サイドスペースに新設しました。是非とも利用くださいませ。) これらは、固相抽出や、オープンクロマトグラフィーで用いられる充填剤の一種です。主な用途として、HPLC、GC分析前のサンプルクリーンアップに用います。試料から分析の障害となる夾雑物質を、分離するためによく用いられます。 フロリジルやシリカゲルは固相自体の極性が強いです。このため、無極性の物質は保持されること無く通過します。また、保持された目的物質を段階的に溶出できます。極性の度合いを調製した抽出用溶媒を用いることにより、極性の強弱で別々に分画することができます。両充填剤とも物性が異なります。クリーンアップできる試料も多少異なります。 用途に応じて使い分けられるように、EPAで推奨されている各種クリーンアップ手段がありますので参考にしてください。詳しくは、↓を参照。 http://www.epa.gov/epaoswer/hazwaste/test/main.htm EPAメソッドの上手な利用法については、折を見て紹介したいと思います。 ========= 表1:フロリジル、シリカゲルの違い =================== 名称 フロリジル シリカゲル (Florosil) (Slica gel) ------------------------------------------------------------- 組成 ケイ酸マグネシウム シリカナトリウム+硫酸 MgO3Si SiOH ------------------------------------------------------------- 極性 中 強 性質 アルカリ性 酸性 ------------------------------------------------------------- *フロリジルには4種類(A,B,PR,TLC)あります。 *一般的にはフロリジルA、残留農薬分析用にはPRを使います。 ===================================================================== 具体的にフロリジルやシリカゲルを利用したクリーンアップ方法は、食品に残留している農薬分析などで利用されています。 参考:EPA Method 3600 http://www.epa.gov/epaoswer/hazwaste/test/pdfs/3600c.pdf EPA Method 3665 "Sulfic Acid/Permanganate Cleanup" http://www.epa.gov/epaoswer/hazwaste/test/pdfs/3665a.pdf EPA Method 3611 "Almina Cleanup and Separation of Petroleum Wastes" http://www.epa.gov/epaoswer/hazwaste/test/pdfs/3611b.pdf === EPA Method No. Method Name Cleanup Type ========================= 3610 Alumina Cleanup Adsorption 3611 Alumina Cleanup and Separation of Adsorption Petroleum Wastes 3620 Florisil Cleanup Adsorption 3630 Silica Gel Cleanup Adsorption 3640 Gel-Permeation Cleanup (GPC) Size-Separation 3650 Acid-Base Partition Cleanup Acid-Base Partitioning 3660 Sulfur Cleanup Oxidation/Reduction 3665 Sulfuric Acid/Permanganate Oxidation/Reduction ==================================================================== ☆使用にあたっての注意点☆ これらの吸着剤は極性が強いです。水やメタノールのような極性の強い溶媒に吸着性があります。また、大気中の水分なども吸着してしまいます。そのため、空気中に長時間触れたりすると吸湿します。吸湿してしまうと再現性の良い結果が得られなくなる可能性があります。従って通常、焼いて乾燥させ、室温に戻した状態で保管しておきます。 乾燥した充填剤は、適量をオープンカラムに詰めます。市販固相カートリッジは、この手間を省いて使用するのに便利です。続いてコンディショニングを行います。最初のステップは、必ず低極性の溶媒を用います。操作中に充填剤相が、決して大気に接触することのないように注意します。コンディショニング後の試料通液、洗浄、溶出、これらの操作すべて、空気が入らないよう最新の注意が必要です。 (シリカゲルの場合は、コンディショニングの際に極性溶媒を用い、逆相系として利用するクリーンアップ法もありますが、今回のテーマでは順相吸着に絞ってお話ししています。) 前述したように、フロリジルやシリカゲルのクリーンアップは極性の強弱によるクリーンアップ手段です。そのため、目的物質と極性が同程度の夾雑物が存在するときは、別な手法でクリーンアップを行わねばなりません。 例えば、高沸点化合物が夾雑物として存在するなら、前もってGPCクリーンアップを行うことによって、夾雑物を取り除ける可能性があります。 沸点も極性も同じような夾雑物が存在するときは、より複雑なクリーンアップ法が求められます。最近の作物残留農薬のクリーンアップでは、このため、逆相固相抽出と順相固相抽出を組み合わせた手法を用います。これをタンデム固相抽出とよびます。(タンデム固相抽出の情報については、応用編で解説していきたいと思います。) 以上、その1でした。 次回、フロリジルとは、シリカとは、基礎編その2は、具体的な使用方法について解説していきます。 人気ブログランキングに登録しました。 応援してくださる方、クリックよろしくです↓ 人気blogランキングへ 目指せTOP50入り。 |
| << 前記事(2005/02/25) | トップへ | 後記事(2005/02/28)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2005/02/25) | トップへ | 後記事(2005/02/28)>> |