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<<   作成日時 : 2005/02/20 22:05   >>

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食品分析における固相抽出の効果的な利用方法 その2
Highthroughput SPE Technique in Food Analysis

しばらく、更新が遅れておりましたが、食品への応用例その2をUp致します。前回のリンクをたどりたい方は、下記リンクか、トラックバックをたどってください。その1のリンクはこちら↓
http://sampleprep.at.webry.info/200502/article_9.html

2.飲料食品における分析自動化

2-1飲料中の微量有機物モニターのニーズの向上、手法の確立

分析業界においては、食品試料のうち、最も環境水試料と性質が近く、ハンドリングが酷似していると言う点から、飲料食品の前処理の自動化が最も注目されている。出荷形態も、缶、ペットボトル、紙パック、アルミパックなど、容器からの溶出の可能性をチェックする需要もある。また、極微量をモニターするということから、ターゲット化合物をいかに限りなく濃縮するかという技術が必要とされている。固相業界では、これらのニーズに応えるため、自動抽出から、自動濃縮、クリーンアップまで、全てを全自動で処理するロボットが開発されている。

2-2液/液抽出法→固相抽出法→自動化分析法

水溶液中の有機微量化合物を限りなく濃縮抽出するには、従来から、液/液抽出法が用いられてきた。しかしながら、抽出に用いるジクロロメタンなどの有機溶媒が、排出規制項目に指定されており、オペレーターの作業環境を重視する観点から、なるべく有機溶媒を使用しない手法へとシフトしてきている。JIS法をはじめとする多くの公定法では、固相抽出法が採用されている。固相抽出法には、吸着材を注射筒型の容器に充填したカートリッジ型固相、密閉容器に充填したルアーデバイス型、テフロン繊維などで、濾紙型に成形したディスク型固相がある。市販されているロボットは、カートリッジ型とルアーデバイス型、ディスク型に対応している。自動装置は、固相カートリッジの洗浄、活性化、コンディショニングから、サンプルロード、目的化合物の濃縮、クリーンアップ、抽出液の濃縮まで、全ての行程を自動化することが可能である。
2-3環境ホルモン分析にみる固相抽出自動化装置の適用方法

従来、環境分析目的で開発された自動か装置を食品分析に向けてアプリケーション開発する手法について解説する。事例として、ターゲット化合物として、ビスフェノールAを取り上げ、模擬サンプルとして、ビール試料と、炭酸清涼飲料に擬似的に標準試薬を添加したものを用いたときの結果を検証する。

2-4.実験方法

自走か装置を適用させる手法のコンセプトは、固相抽出法を用いて、液体試料から、ビスフェノールAを濃縮し、さらに同じくクリーンアップ固相をもちいて、抽出液から、夾雑成分を除去し、濃縮後誘導体化し、GC/MSによるスクリーニング分析を行うものである。

問題となるのは、装置への飲料食品試料の適用である。通常、飲料食品は、炭酸を含んでいたり、多量の糖分、色素を含んでいるため、そのまま、環境水分析用の装置にセットすると、シリンジや、内部バルブ、配管の通液性などに支障をきたし、この点がボトルネックになる。しかしながら、自動固相装置では、最大1Lまでの液体試料がセット可能なものもあるため、この利点を生かすことが可能である。すなわち、プレ処理した飲料試料は、装置に適用できる程度まで希釈した後にセットすることが可能になる。つまり、飲料試料を一度酸処理して微粒子を溶存体に処しした後、0.45ミクロン程度のガラスメンブレンフィルターで濾過し、脱気する。この、プレ処理を行った試料に、精製水を加えて、5倍から、100倍程度まで、サンプルの粘度に応じて、希釈し実験試料とする。通常では、濃縮分析において、一度、検体を再希釈してしまうことは、矛盾に思われるが、一度再希釈することで、自動化が可能になり、データの再現性も得られる。

自動化で、全ての前処理をおこない、そのメソッドを装置に記憶する事が可能であり、数台のロボット間で全く同じ、メソッドを採用すれば、オペレーターに依存することなく、最小の誤差で、前処理済みサンプルを入手することが可能である。

例えば、200mLの飲料食品試料に対し、あらかじめ1N塩酸を200uLを添加し酸処理をおこなった後、0.45のGMFフィルターで濾過し、超音波脱気する。その後、等倍量になるように200mLの精製水を加えて、模擬試料とする。抽出には、逆相固相のC18やSDBを用いる。使用固相は、ジクロロメタン/アセトン洗浄をおこない、容器等のブランクの影響を排除する。

メタノール、精製水にて、コンディショニングを行った後、模擬試料を通液し、通液後、精製水にて、カートリッジのリンスを行う。この際、極性糖分などの夾雑成分は、固相カートリッジに保持されずに洗い流される。洗浄後、窒素気流下でカートリッジを乾燥する。これは、その後の溶出時に固相カートリッジ内に残存する余分な水分により、回収率の変動を押さえるためである。その後、あらかじめ、アセトンで洗浄しておいた、シリカ系PSAカートリッジを逆送固相下部に装着し、アセトン/ジクロロメタンで、2連結のカートリッジから、ビスフェノールAだけを回収する。

このとき、色素成分などの夾雑成分はPSAカートリッジに保持され、回収液には、ビスフェノールAがクリーンアップされた状態で回収される。回収液は、窒素気流下で加温濃縮する。その後、BSTFAにより誘導体後、シリンジスパイクとして、dナフタレンなどの安定同位体を添加し、実際に分析する。


2-5結果及び考察

C18、SDB固相抽出カートリッジだけでの前処理では、GC/MS分析時に、ビスフェノールAのピーク出現場所に、たくさんの妨害ピークが重なってしまい、分析不可能である。また、分析を行うキャピラリーカラム内に大量の不揮発成分や色素成分が混入してしまうため、一度の分析で、分析カラムが使用不能になってしまうおそれがある。一方、シリカ系PSA固相抽出カートリッジを併用して、クリーンアップ処理した検液では、逆送固相処理のクロマトグラムで問題となっている妨害ピークは、見られず、目的のビスフェノールAと補正用の安定同位体のピークを明確に確認することが可能である。

また、目的化合物のピーク以降に出現していた巨大な、妨害ピークも排除される。これは、PSAにより、色素成分等が、除去されたためと考えられる。実際に、微量濃度のビスフェノールAをビールサンプルや清涼炭酸飲料水に添加し本手法を適用すると、きれいな検出クロマトグラムを確認できる。

四重極GC/MSでは、定量時は、ほとんど、イオンクロマトグラムを抽出して分析を行うため、S/N比のしっかりとれたきれいなクロマトグラムが得られるはずである。ほとんどビスフェノールA以外のピークは、検出されないため信頼性がかなり向上する。d体で補正後の回収率及び、再現性は良好な結果が得らる。

まとめ。

このように、本手法で提案する自動化装置を適用した手法は、オペレーターの技能に左右されることが無く、装置を導入した各分析部署では、同様の試料調製を行うことが期待できる。


以上その2でした。

次回、食品分析における固相抽出の効果的な利用方法 その3は、

     3.飲料食品以外への自動化装置の可能性

について、Upする予定です。お楽しみに。


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