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zoom RSS 土壌・地下水試料中重金属分析技術に貢献するスクリーニング手法その2.

<<   作成日時 : 2005/02/13 02:08   >>

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1.ディスク型固相抽出を利用した土壌・飛灰抽出液、地下水中の微量元素分析への対応
 固相抽出法とは、化学結合シリカゲル、ポーラスポリマー、アルミナ、活性炭などの固定相を用い、特定の目的成分を選択的に抽出・分離・精製する手法として、1980年代ごろから発展してきた前処理技術である。従来、この手法は、複雑なマトリックスを有する液体試料中から、目的のの有機成分を分離するために利用されてきたが、2000年前後からキレート膜が登場し、固相抽出の無機分析への応用が報告されるようになった(文献1:第3回 日本環境化学会 予稿集、日本環境化学会、2003)。

固相抽出法(キレートディスク)と金属分析↓
1.http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/disk/pdf/diskap030.pdf
2.http://www.mmm.co.jp/news/2002/200205282/
3.http://www.pref.niigata.jp/ricenter/public/examination/img/H14-45maruta.pdf
4.http://www.city.kawasaki.jp/30/30koken/home/nenpou/30pdf/30-2-6.pdf


固相抽出技術を応用することによって、土壌抽出液や飛灰抽出液中のマトリックスから、選択的な金属抽出を行う技法が確立され始めている。

1.1.ディスク型固相抽出
固相抽出を行うためのツールが、各社から市販されている。汎用される固相抽出剤のフォーマットとしては、シリンジカートリッジ型、シリンジバレル型、そしてディスク型に大別される。これらの中で、環境水試料の前処理としては、各種JIS法(文献2)で実績があり、水試料の迅速捕集が可能であるディスク型固相抽出媒体(3M社エムポアディスクTMシリーズとして市販:http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/disk/)が、土壌・地下水関連のサンプルへの適用に適している。


金属イオン向けの充填剤の種類としては、目的金属の特性に合わせ、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、キレート樹脂を採用したものがある。いずれもポリスチレンゲルとPTFE樹脂から構成されているため(写真1:http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/disk/lineup.html)、酸性、アルカリ条件下での使用が可能である。キレート樹脂を採用したものは選択性に優れ、海水のようにカリウムやナトリウムなどの塩濃度の高い複雑なマトリックスからでも、選択的に2価以上の遷移元素を捕集・回収する事が可能である。このエムポアディスクによる固相抽出を利用し、河川水、海水、地下水等の各試料中から、鉛、カドミウムをはじめとする遷移元素、重金属類を選択的に分離精製する技術について、報告例がある。(文献3:http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/lit/list/ki2003.html

(図1:http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/ino/pdf/ino01.pdf)に固相抽出による金属回収用の典型的なフローチャートが示されている。


1.2.ディスク型固相抽出を利用した油分除去処理(油分測定)
固相抽出法の利点として、金属イオン選択抽出の他に、従来から使用方法である有機物の捕集技術がある。土壌関連分析では、土壌抽出液や、湧き水、浸出水などに、油分成分が混入してくることが予測され、試料溶液中の油分成分が、既存のICP発光分析、原子吸光分析において障害となる。固相抽出剤の種類の中には水中油分の捕集に特化した製品が各社から市販されており、これらの製品を実試料へ応用(文献)することにより(ほとんどろ過する要領で)、試料溶液注の油分を迅速に処理することができ、前処理操作が軽減される。

油分分析への固相抽出の適用↓
http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/disk/pdf/OilGrease.pdf



1.3.ディスク型固相抽出と可搬型蛍光エックス線を利用した重金属の形態別迅速分析法

固形である土壌分析の迅速非破壊分析として、蛍光エックス線が利用されている。蛍光エックス線は、他の手法に比較しても、分析のための前処理工程がほとんど不要で、固体試料中の元素成分のスクリーニングに威力を発揮する。近年では、過般型の装置が市販

1.http://www.shimadzu.co.jp/news/press/010727.html
2.http://www.mydome.jp/forecs-member/f3_30.htm
3.http://www.jst.go.jp/pr/report/report41/

されるようになり、現場でのオンサイトモニタリングも可能である。

しかしながら、地下水や土壌抽出液など、液体成分中の元素分析においては、十分な環境基準値を測定することが困難なケースがある。このような液体試料を蛍光エックス線で測定可能にするツールとしても、固相抽出剤が利用されている。前述した通り、ディスクタイプのものを利用すれば、吸引ろ過の要領で試料中の目的成分をディスク固相にトラップできるため、その固相ディスクを蛍光エックス線分析にかければ良い。この手法の利点は、まず第一に、測定感度を上げれる点にある。十分な検出感度レベルになるまで、ディスク型固相を用いて、試料中目的成分を均一に濃縮すれば、低濃度サンプルでも瞬時に解析が可能になる。

また、第二点として、金属成分等をディスク上に捕集しておけば、中期保存や運搬が、実試料のそれに比べはるかに容易である点が挙げられる。保管スペースもわずかであり、測定結果や状況に応じ再解析が必要な際は、いつでも再解析が行え、試料番号認識のラベリングも簡単に行える。2-3M程度の硝酸溶液で簡単に溶出回収できるため、この回収溶液をICP等の別手法で解析を行うことができる。

1つの固相抽出処理手法で目的成分を濃縮すれば、サンプル保管や運搬の不便さを補うことができ、クリーンアップ手法の検討をしておけば、個々の機器に対して有利な測定手法を確立することが可能である。

参考例:代表的な測定例↓
http://www.mmm.co.jp/fibrous/empore/disk/pdf/diskap030.pdf


次回に続く

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