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zoom RSS HPLC、GC分析における前処理方法としての固相抽出法基礎講座 その7

<<   作成日時 : 2005/02/13 02:04   >>

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ちょっと、間隔が開きましたが、固相抽出法基礎講座最終章です。

12c.食品試料
12c-1)乳製品(順相、逆相、イオン交換)
牛乳などは、水や緩衝液で希釈して直接処理する。必要に応じて除タンパクする。チーズの場合はホモジネートする。チーズの組成は牛乳に類似しているが、脂肪類が多いので、選択する固相抽出によりホモジネートするときの溶媒を選択する。

12c-2)農産物(逆相、イオン交換)
トマト:水や緩衝液と有機溶媒の混合液でホモジネートする。酸処理より分解が可能で有るが、その後のpH調製に注意する。
トウモロコシ:極性溶媒中でホモジネートし、必要に応じて、水、緩衝液で希釈する。
オレンジ:目的成分と選択する抽出方法により、逆相、順相を使い分ける
大豆:有機溶媒でホモジネートし、上清を適当な溶媒で希釈する。
植物油:極性が低いのでヘキサンなどの低極性溶媒で希釈する。

12c-3)穀物製品
コーンミール、パン、飼料:脂肪含有量が多い場合には、最初に脂肪抽出を行う。希望抽出方法に応じた溶媒でホモジネートする。

12c-4)肉類
ベーコン類:脂肪含有量が多いので、低極性溶媒を用いてホモジネートする。
レバー:肝臓組織は、乳状になりやすいため、これを抑えるためには飽和食塩水でホモジネートする。脂肪分が多い場合は、ヘキサン等の低極性溶媒を用いる。ホモジネート後、上清を抽出溶媒で希釈する。
脂肪、油脂:低極性溶媒で希釈する。

12c-5)菓子類
糖蜜:水または水系緩衝液で希釈する
チョコレート類:脂肪含有量が高いので無極性のマトリックスとして取り扱う。低極性のヘキサンなどでホモジネートする。必要に応じて水酸化カリウム/メタノールでケン化する。

12c-6)飲料品
ぶどう酒、清涼飲料水:非常に極性が高いため、水や緩衝液で希釈した後、必要に応じてpH調製を行う。
コーヒー、紅茶、緑茶:抽出液の場合は、水で希釈濾過する。必要に応じてpH調製も行う。また、葉や豆の場合はすり潰し、分離目的成分の性質に合わせた有機溶媒で直接抽出する。

12d.化粧品類
12d-1)クリーム、軟膏剤(逆相系、順相系)
クリームや軟膏剤には、水溶性のものと油性のものがるので、注意する。水溶性の物は、メタノールなどの極性有機溶媒で希釈後、水や緩衝液で希釈し固相で処理します。油性の物は、ヘキサンなどの低極性有機溶媒に溶解し、順相系の固相で処理します。

12d-2)シャンプー(低極性、順相系)
シャンプー、リンスは、界面活性剤を含んでいるので、分析上これらが影響する場合には、ケイソウ土を濾過剤に使用したデプスフィルターを利用して除去する。

12e.微量元素分析における前処理
12e-1)生体試料
 近年になり、ICP-MSなどの高感度検出器の普及に伴い、生体試料中の微量元素を有機形態のまま、分離定量する需要が高まってきている。血液や尿試料中の微量元素を存在形態のまま、分析するためには、酸分解では形態が変化してしまう。この場合、単純に緩衝液等で希釈し、メンブレンフィルター処理、または、ガードカラム付きのLCカラムに注入する。イオン性のためpHが重要になる。これらのアプリケーションでは、HPLCは形態分離をするための前処理として利用される。また、除タンパクしながら重金属類を回収する目的には、キレート樹脂を装填した、前処理カートリッジや、ミニカラムが利用される。また、イオン対試薬を緩衝液として加え、逆相抽出する手法もある。

12e-2)環境試料
河川水、海水、排水:酸処理をした後pH調製をして、イオン交換樹脂やキレート樹脂を用いて濃縮、精製される。海水試料など塩濃度の高い試料からの抽出に有効である。また、イオンクロマトの前処理としては、逆相系のカートリッジに分析試料を通過させ、不必要な夾雑成分を除き、目的のイオン性成分をスルーさせて回収し、分析試料にする手法が有効である。
土壌、飛灰:酸による湿式分解行うか、最近では、マイクロ波分解も一般的に利用される。


13.濃縮乾固に関する問題点

ほとんどの、液液抽出や固相抽出処理では、抽出後の回収溶媒をロータリーエバポレーター、KD濃縮管、窒素パージ装置などにより、濃縮乾固後、適切な溶媒に再溶解(GCであれば、ジクロロメタン、ヘキサンなど注入に適した揮発性溶媒。LCで有ればピーク形状の影響が少ない移動相などで行う)を行っている。現状では、この操作にかなりの比率の時間と労力を費やしている。また、揮発性の高い成分などは、この処理でのロスが大きくなってしまう。近年では、これらの問題をクリヤーするべく、GCではPTV注入口、LCではミニカラムによるスイッチングを利用した大量注入法が検討されている。これらの手法は、窒素パージ中のコンタミネーションの影響を減少させさり、濃縮時間の省略や前処理の自動化を手助けする物として今後の技術開発が期待される。


参考文献
最新固相抽出法ガイドブック、ジーエルサイエンス(株)
固相抽出の基礎と応用、ジーエルサイエンス(株)
バイオロジカルマススペクトロメトリー、現代化学増刊、東京化学同人
AOAC official method of analysis, 14th Edditon, 1984
Nigel J. K. Simpson, "Solid Phase Extraction", Marcel Dekker, Inc.,2000

以上基礎講座でした。
今後も、固相抽出、前処理情報を、どんどんUpしていきます。

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