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12.測定試料別前処理のポイント 11項までに述べた手法を測定試料ごとに効果的に組み合わせることが重要である。以下に固相抽出法を中心とした代表的なケースについて、それぞれ有効な手法を列記する。 12a.生体試料の前処理 12a-1)血清、血漿(逆相系、イオン交換系) 試料を等量の水や緩衝液で希釈する。目的成分のpKaやタンパク結合を考慮し、緩衝液のpHを設定する。 12a-2)血液「全血」(逆相系、イオン交換系) 全赤血球を含んでいるため、有機溶媒を加えたり、緩衝液により血球を破壊してから抽出操作にかける。 血清や血漿のときよりも薬物のタンパク結合の影響は大きくなる傾向がある。 12a-3)尿(逆相系、イオン交換系) 尿を取り扱う上では、高濃度で様々種類の塩類が含まれていることを考慮する必要がある。最低限等量の水か緩衝液で希釈する必要がある。また、高濃度の塩が存在するためイオン交換系でダイレクトに処理できない場合がある。このような場合は、一度逆相系で水溶性の塩類を除き、その後イオン交換系で精製するなどの手法(マルチ展開法)が有効である。マルチ展開法を有効活用すれば、尿試料特有の色素を取り除くことも可能である。 12a-4)組織物・臓器(逆相系、順相系、イオン交換系) 臓器などは、第一段階として有機溶媒を用いてホモジネート後、遠心分離により上清を分取する。脂肪の多い組織は、ヘキサン、クロロホルムなどの低−中極性の溶媒で処理し、タンパク質系の組織は、メタノールなどのアルコール/緩衝液混合物でホモジネートする。得られた上清を血液や尿と同様に液性を予備調製して固相抽出にかける。 12b.環境試料 12b-1)浄水、環境水、排水(逆相系、順相系、イオン交換系) 浄水は、そのまま処理することが可能だが、水道水などの場合は、共存する塩素の影響を考慮する。環境水、工業廃水などは、SS成分が問題となるため、適切なフィルトレーションを行い、SS成分と溶存成分を分けて処理する。フィルトレーションで除去困難な、プランクトン類などの浮遊成分は、塩酸や硝酸による酸固定で予備処理を行う。農薬類などは、固相で捕集時にpHの影響を受けやすいので、HPLC測定対象農薬の場合は、特に注意が必要。 12b-2)土壌、飛灰、スラッジ(逆相系、順相系、イオン交換系) これらの類のサンプルでは、分離目的成分が吸着している可能性がある。そのため、第一段階として、酸、アルカリ、有機溶媒などで還流抽出(ソックスレー)などを行う。得られた抽出物を適当な溶媒、緩衝液で希釈して、捕集、クリーンアップをおこなう。 12b-3)石油製品(順相系) これらの試料は、極めて無極性のため、油脂、石油製品類は、ヘキサンや石油エーテルなどの低極性の溶媒で希釈し、順相系の固相で処理する。 次回、測定試料別前処理のポイント続編公開予定! ガスクロマトグラフ法 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた最新環境微量物質分析マニュアル―GC‐MSを用いた環境中の化学物質検索指針(水質・底質編)・普及版 GC,LCの実際
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