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zoom RSS HPLC、GC分析における前処理方法としての固相抽出法基礎講座 その2

<<   作成日時 : 2005/01/27 01:10   >>

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HPLC/GCクロマト前処理 固相抽出法 基礎講座その2です。
2.前処理方法としての固相抽出法の位置づけ

固相抽出法は、様々な分野で汎用されている。分野別の使用例を以下にあげる。
▼医薬分野
創薬、医薬品合成、薬物動態、天然物抽出
▼バイオテクノロジー
DNA、RNA抽出、イムノアッセイ法
▼食品分野
食品成分分析、作物残留農薬、食品添加物、合成抗菌剤・ホルモン剤、
▼環境分野
農薬検査、汚染物質検査、環境ホルモン動態、重金属汚染
▼複合分野
裁判化学、薬毒物中毒判定、ドーピング検査

固相抽出は、使用する溶媒の使用量が最小で済み、かつ、溶媒抽出と比較してより選択的な抽出が可能のため上記のような、広範囲な分野での使用がなされている。前処理方の中では、祖抽出、濃縮、クリーンアップの3要素を担う。

3.固相抽出法とは

 固相抽出法とはポリマ−、化学結合型シリカゲル、アルミナおよび活性炭などの担体を充填したミニカラムでサンプル中の目的成分を分離、抽出、精製する手法のことを言う。固相抽出法は、歴史的に見て、1970年代の高速液体クロマトグラフィーの理論展開の中で考案された分析手法で、その有用性が実証されるに伴い、適用も拡大し、今日に至っている。

使用方法としては、クリーンアップ手法と抽出手法の2種類に大別される。

また、固相抽出を導入することによって、前処理にかかる行程を簡略化し、より選択的なクロマトグラムを得ることが可能である。

4.固相抽出の基礎

固相抽出法は、従来から、使用されてきた液液抽出法と違い、イオン性の化合物や、より極性の化合物まで適用できることが可能である。

現在市販されている、固相抽出の形態としては、カートリッジ型、ルアーデバイス型、ディスク型の3種類に大別される。測定したい試料マトリックスに応じて、これらのメディアを効果的に組み合わせることが重要である。

これら、各種製品には、目的化合物を吸着させるために、各種充填剤が使用されている。現在市販されている充填剤をあげると以下のようになる。

これら、充填剤は、大きく3つのグループに大別される。無極性固相、極性固相、イオン交換固相である。また、これらを複数組み合わせた物や、専用に開発された物は特殊型といえる。

また、固相抽出の基本操作は以下の要領で行う。

コンディショニング
あらかじめ固相を活性化させておき試料を流しやすい状態にする

保持
試料溶液を流して目的成分を保持させる
一部の夾雑物もいっしょに保持されるので注意する

クリーニング
夾雑物を洗い流します

溶出
精製された目的成分を回収しますここでは、基本的な、3種の充填剤における相互作用について解説する。

基本的には、この要領で前処理を行うが、先に述べた3種の固相充填剤でのメカニズムを把握した上で行うと良い。以下に、主な固相抽出剤における分離モードを解説する。

▼逆相固相抽出(無極性固相の利用)
応用例:
・環境水中の農薬、環境ホルモン、ダイオキシン
・血液、尿中の薬物と代謝物
・食肉中抗菌剤

 無極性固相を利用した固相抽出では、液体中のほとんどすべての化合物について用いることが可能で、非選択制の万能型の固相といえる。主な物理的反応は、分子間引力(ファンデルワールス力)による。くっつきやすく、離れやすい性質を持っているため、非常に扱いやすい固相で、固相抽出の大半を占める手法である。水マトリックス下で、疎水成分がトラップされ、極性溶媒(メタノール、アセトニトリル)を流すと回収される。

▼順相固相抽出(極性固相の利用)
応用例:
・逆相抽出後のクリーンアップ
・柑橘類などの果物中のイマザリルなど極性ポストハーベスト農薬の抽出
・血清試料中のトリグリセライドなどの脂質の抽出

 このメカニズムは無極性固相を用いた抽出に比べて非常に選択的な抽出を行うことが可能である。
具体的な使用方法として、水マトリックスでの使用、ヘキサンなど低極性溶媒マトリックスでの使用の2通りに大別される。低極性溶媒マトリックスの利用では、保持された化合物は、ヘキサンなどの体極性溶媒とアセトンなどの極性溶媒の混合組成比を変化させてフラクションを取り分けることにより、より精製された目的成分を得ることができる。従来法のオープンクロマトやカラムクロマトで行われていた抽出精製は、こららの充填財カートリッジで代替えする事が可能である。
 また、水溶性のマトリックス下において目的成分が上記のような置換基を有する場合に利用する場合の使用がより選択的な抽出が行え有効である。

▼イオン交換固相抽出
応用例:
・尿中アミノ酸および、その代謝物の抽出
・血漿中イオン解離性の薬物の抽出
・フライアッシュ中のポリ塩化化合物
・水中金属イオン
・水中の酢酸基、スルホン酸基、アミノ基等をもったイオン解離性物質

イオン交換法による固相抽出は最も強力なクリーンアップの手法である。イオン対により、しっかり保持されるため、100%有機溶媒での洗浄が可能。弱点としてキャパシティーに制限があるため試料負荷量に注意が必要になる。
 イオン交換法では、pHやイオン強度などによって保持と溶出をコントロールする。しかしながら、C18などの無極性固相に比べてpH調整など複雑な行程を必要とするため、より最適なメソッドを確立するには注意が必要であり、初心者には敬遠されがちである。しかし、使いこなせれば、非常に良好なクロマトグラムを得ることが可能である。


続きは、次回以降公開予定です。

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